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2016年8月5日金曜日

朝日連峰 泡滝ダムから大鳥池へ

今回は嫁さんと泊りがけで、朝日連峰にある大鳥池まで行ってきました。


大鳥池の脇にあるタキタロウ山荘はテント泊も出来ると聞き、最近購入した山岳テントのお試しも兼ねておりました。


泡滝ダム手前にある駐車場に到着。

ここにくる途中、PIAAと書かれたリュックを背負ったジーンズ姿の男性が歩いているところを見かけました。
そこはまだ登山口までは相当距離がある場所で登山者とは思えず、途中道路工事をしていた箇所があったので、工事関係者かなぁとか話しておりました。


泡滝ダム脇の道を進みます。

ほどなくして大鳥登山口に到着。

登山道は沢を沿うようにあり、時々山らしい所もありますが、緩やかで歩きやすい道が続きます。
登山地図には載ってない水場もいたる所にあり、補給しながら進めるのでとても助かりました。

1つ目の吊り橋
しっかりした橋ですがどうしても揺れるので、高所恐怖症の嫁さんはとても嫌がっておりました。
橋の脇にあった看板。
なかなかの健脚によるコースタイムと思われます。

七ツ沢に到着。二つ目の吊り橋を渡ります。
ここからは七曲という急登を進みます。

水はとても豊富です。

七曲はつづら折の道ですが、いたる所にショートカット道が作られておりました。
自分達は初めて通る道なので、ショートカットせずにゆっくり登っていると、後方からきた登山者がショートカット道を進んで追い抜いて行きました。
すると嫁さんが「今の人、PIAAのリュックの人だけよ!」
驚きです。なんという健脚でしょうか!まさかあの位置を歩いていて抜かれるなんて。
凄い人もいるもんだなぁと感心しました。


日も暮れ始めて薄暗くなってから、タキタロウ山荘に到着。

テント泊にするか、小屋泊にするか悩んだ挙句、結局小屋泊することに。
ここで宿泊代を支払おうとしたところ、なんと財布を車に忘れてきておりました。

困っていると、小屋番の佐藤さんが声を掛けてくれ、「お金なんか何とかなるから、中で休んでいいよ。」と有難いお言葉。本当に助かりました。




小屋に入ってみると、中は宿泊者でいっぱいでした。今日は28名宿泊とのこと。

中ではもう明日に備え休んでいる方もいたので外で夕食を食べていると、先ほど追い抜いていった健脚の男性を見かけました。

嫁さんが「すごい遠くから歩いてましたね!抜かれて驚きましたよ。」と声を掛けると、日本語でしたが聞きなれない発音だったため、どちらから来たんですがと尋ねると、言いにくそうに「中国です」と答えました。名前は呉さんというそうです。

食事をすませ、小屋に入ると呉さんが隣で休んでおりました。

呉さんの服装は、ヨレヨレのジーンズに、伸びて汚れた白いTシャツ、登山用ではないリュックにワークブーツ。スリーピングマットは、保冷用の2mm厚くらいの銀シート。

一見山で見かけると、軽装でこの人大丈夫かな?という印象でしたが、声をかけると、とても気さくで素晴らしい方で色々とお話を聞かせてくれました。

今回は大鳥池~以東岳~大朝日を縦走するとのこと。
以前から日本で働いており、日本語を覚えて、日本の山が大好きとのこと。
日本百名山は、今回で28座目とのこと。
色んな国を旅行したり登山しており、日本は旅行しやすいが、本当は貧しい国を旅するのが一番楽しいとのこと。

海外旅行で言葉が通じないのは大変じゃないですかと尋ねると、「しっかり情報集めて、計画立てれば言葉通じない問題ない。人生一度きり、楽しまないと!」の一言。とてもポジティブな方です。

そして皆就寝し始めると、覚悟はしていましたが眠れません。

①イビキの合唱。
②朝2時半から起きて登山準備を始め、なかなか出発しない団体一行。
③朝3時から起きて、周りが寝静まっている部屋の中で煮炊きしての朝食をとり、4時で出発する団体一行。

(耳栓とアイマスクは必須だと思いました。)


もう一睡もできず、ストレス値が最高潮に達しておりました。

呉さんに、「眠れませんでしたね」と声を掛けると、「もう慣れたよ、眠れないのはたいした事無い。寝れなくても横になって休めれば10~13時間は動けます。イライラするより楽しむこと大事!」

この言葉を聴いて、この方は本当にすばらしい考え方をする方だなと思いました。

呉さんが山小屋を出るとき私達に「二人とも楽しんでね。またどこかの山で会いましょう!」
と颯爽と出かけていきました。

呉さんの服装を最初見たときは、登山者っぽくないなと思いましたが、今となっては逆にそれが恰好良く思えてなりません。
高価な登山ウェアに身を包んだ日本人登山者が恰好悪く見え、山登りは恰好じゃないんだよって教えられているようでした。

尖閣諸島の問題で、日本と中国の関係がうまく行っていないのは知っています。
呉さんも、自分が中国人というのはあまり話したくなかったみたいでした。
ですが、個人同士の交流では、こんなに素晴らしい方との出会いもあり、とても考えさせられました。TVやインターネットからの情報を鵜呑みにせず、呉さんのように広い視野を持ちたいと思いました。

呉さんは早朝出て行ってしまったので、写真を一緒に撮れませんでした。
きっとどこかの山で会えるような気がするので、その時は記念撮影したいですね!



朝のタキタロウ山荘


山荘の佐藤さんから、「以東岳に登っておいで。オツボ峰コースの途中の花を見るだけでもいいよ」とオススメされましたが、私の膝の状態がイマイチよろしくないので、次の楽しみにとって置いて今回はこれで下山することにしました。

近くにいた男性も「無理せず、登山口を見に来るだけでも立派な登山だよ。」と声を掛けられました。これまた名言だと思います。

次に来た時は是非、以東岳に登ってみたいと思います。


大鳥池に映る山々

風が無くて、とても綺麗に映っていました。


 下山中に見かけた、大きなナメクジ。
気づかず踏んでしまうところでした。


なぜか、葉っぱにウサギのシールが張られていました。




下山後は、「かたくり温泉ぼんぼ」で汗を流し、鶴岡市にあるラーメン屋「鷹ノ巣」さんに行ってきました。
店のお父さんが冗談好きの楽しい方で、ラーメンを「カレーで~す」って言いながら運んできました。

そして、ここで注文したのがとんこつラーメンなのですが、このラーメンが超うまい!
とんこつラーメンにそれほど詳しくはないですが、私の中では間違いなく、とんこつラーメンランキング№1です。
個性的な味ですが、それが癖になってしまいました。



今回は、行程は短いものの色んな出会いがあり、とても印象深いものになりました。

また、登山者の小屋泊のマナーについても考えさせられました。せめて自分は周りへ迷惑行為をしないよう心がけたいと思います。


是非今年のうちにもう一度登って、テント泊にて以東岳に登りたいと思います!



※ タキタロウ山荘の宿泊代は、ちゃんと麓の朝日屋旅館さんにて支払いました。
  佐藤さん、ありがとうございました。


3 件のコメント:

  1. くま吉さん、冗談でなくとても感動しました。
    最初はテン泊のレポかと思いましたが、そんなこと(すみませんm(_ _)m)はどうでもよくなる内容!
    私も「人生一度きり」と思っていますが、普段の生活では短期的な目先のことばっかり気にしてしまいます。しかも、人生にかかわるやりたい事もあるのに、なんにも挑戦なんてできていません。
    この記事を読んで、なんとなくですが、今の私に足りないものと、不要なもの(精神的な部分)を考えるきっかけになりそうです。
    呉さんのこと、雰囲気とか今度詳しく聞かせて下さい!
    本当に素晴らしい山行だったと思います!

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  2. このコメントは投稿者によって削除されました。

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  3. いつもコメありがとうございます!
    私も今回はテン泊レポのつもりだったのですが、内容ががらっと変ってしまいました。
    下山してからも、「呉さんの生き方恰好いいよね」と嫁さんと話しておりました。
    一度きりの人生、どうしたら楽しく過ごせるのかを短い時間でしたが教えてもらった気がします。
    今度、呉さんのことを詳しくお話しますね!

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